岐阜県高山市で1月24日に開かれる恒例市「二十四日市」に向け、飛騨の伝統工芸品「宮笠(みやがさ)」の製作が最盛期を迎えています。製作を担うのは同市一之宮町の問坂義一さんの工房で、市内で宮笠を作る工房は現在ここ1軒といいます。市では当日、計約100個を販売する予定で、価格は1個3,300円~8,000円です。宮笠は江戸時代に農閑期の副業として広まり、約300年の歴史があるとされますが、戦後には約100軒あった生産が大幅に減りました。工房では義一さんと長男の和彦さんが、ヒノキやイチイの樹皮を薄く削って幅約6ミリの短冊状の「ヒデ」を作り、手作業で編み上げています。用意するのは、セミの形を模した飾り付きのものや、イチイの赤とヒノキの白を組み合わせたものなど3種類です。乾湿で編み目が変化し、暑い日は通気性が増して日差しを防ぎ、雨雪の日は隙間が閉じて水を遮りやすいという自然素材の実用性が特徴で、近年はウルトラマラソン出場者の利用もあるといいます。担い手が1工房に集約する中、需要の掘り起こしと後継者確保が今後の課題になりそうです。

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